セキュリティ的な制限でインターネットに直接接続できないローカルな環境からインターネットに接続したい場合には、プロキシサーバを経由して接続することでアクセス元のコンピューターの身元を隠すことができるため、機密情報や個人情報の漏えいの抑制に繋がります。
また、接続可能な外部サイトをホワイトリストとして設定することで特定のサイトして接続できなくすることでセキュリティを高めることができます。
今回はパブリックサブネット上にプロキシサーバを作成し、プライベートサブネット上のサーバからプロキシサーバを経由してインターネットの接続許可された特定のWEBサイトに接続してみます。
構成イメージ
『リポジトリサーバ構築』の時とほぼ同様の構成となります。
プライベートサブネットのサーバAからパブリックサブネットのプロキシサーバを経由してgoogleに接続してみます。

事前準備
事前に以下のものを用意しておきます。
【プロキシサーバサーバ】
・インターネットに接続可能なEC2インスタンス(RHEL8.6)
⇒SELINUXは無効化にしておきます。
【サーバA】
・インターネットに接続できないEC2インスタンス(RHEL8.6)
手順の流れ
以下の流れで実装します。
1.【プロキシサーバ】httpd導入&httpd.conf変更
2.【サーバA】プロキシ設定
3.【サーバA】インターネットに接続確認
1. 【プロキシサーバ】httpd導入&httpd.conf変更
プロキシサーバにapacheを導入していきます。
# dnf install httpd
導入後、proxyモジュールが読み込まれていることを確認します。
# httpd -M | grep proxy proxy_module (shared) proxy_ajp_module (shared) proxy_balancer_module (shared) proxy_connect_module (shared) proxy_express_module (shared) proxy_fcgi_module (shared) proxy_fdpass_module (shared) proxy_ftp_module (shared) proxy_http_module (shared) proxy_hcheck_module (shared) proxy_scgi_module (shared) proxy_uwsgi_module (shared) proxy_wstunnel_module (shared) proxy_http2_module (shared)
/etc/httpd/conf.d/配下にproxy.confを作成していきます。
Listenポートは「8000」番にしてみました。
その次にホワイトリストの設定ですが、まずは全てのサイトをdeniedで拒否しております。
接続許可する外部サイトとして今回はgoogleのホームページを指定しております。
2つ指定しているのはhttpとhttpsの両方で接続を試すためです。
httpのほうは「http://~」で指定する必要あり。
httpsのほうは「ドメイン名」で指定する必要があります。
# vi /etc/httpd/conf.d/proxy.conf 【以下を記述】 Listen 8000 <IfModule proxy_module> ProxyRequests On ProxyVia On ProxyTimeout 300 AllowCONNECT 443 CustomLog logs/proxy_log combined <Proxy *> Require all denied </Proxy> <Proxy google.com> Require all granted </Proxy> </Proxy http://google.com> Require all granted </Proxy> </IfModule>
proxy.conf作成後、httpdを再起動します。
# systemctl restart httpd
また、プロキシサーバのセキュリティグループのインバウンド設定としてサーバAからの8000番ポートを許可するようにしておきます。
2.【サーバA】プロキシ設定
サーバAでhttp/https接続する際にプロキシサーバを経由させるための設定をします。
環境変数として設定するために/etc/profile.d/配下にproxy.shを作成します。
# vi /etc/profile.d/proxy.sh
「HOST」にはプロキシサーバのIPアドレスまたはホスト名を指定します。
「PORT」にはプロキシサーバでListenしている8000番を指定します。
また、no_proxyには「169.253.169.254」も指定します。
これはインスタンスメタデータサービスの IP アドレスであり、EC2インスタンスがインスタンスメタデータにアクセスし、インスタンスの設定または管理するために使用されるものになります。
IAMロールを付与して、AWS CLIによりコマンドを実行する際にも使用されます。
その為、このIPについてはプロキシサーバ経由から除外させます。
HOST="[プロキシサーバのIP or ホスト名]"
PORT="[プロキシサーバのポート番号]" ※今回は8000を指定
PROXY="$HOST:$PORT"
export http_proxy="http://$PROXY"
export https_proxy="https://$PROXY"
export HTTP_PROXY="http://$PROXY"
export HTTPS_PROXY="https://$PROXY"
export no_proxy="127.0.0.1,localhost,169.253.169.254"
export NO_PROXY="$no_proxy"
上記内容で保存します。
また、プロキシサーバのへの接続としてセキュリティグループのアウトバウンド設定として8000番ポートを許可しておきます。
3. 【サーバA】インターネットに接続確認
この状態でサーバAからインターネットに接続してみます。
プロキシサーバのホワイトリストで許可している「google.com」にhttpでアクセスしてみます。
# curl -I http://google.com HTTP/1.1 301 Moved Permanently Date: Sun, 08 Jan 2023 11:49:35 GMT Server: gws Location: http://www.google.com/ Content-Type: text/html; charset=UTF-8 Cross-Origin-Opener-Policy-Report-Only: same-origin-allow-popups; report-to="gws" Report-To: {"group":"gws","max_age":2592000,"endpoints":[{"url":"https://csp.withgoogle.com/csp/report-to/gws/other"}]} Expires: Tue, 07 Feb 2023 11:49:35 GMT Cache-Control: public, max-age=2592000 Content-Length: 219 X-XSS-Protection: 0 X-Frame-Options: SAMEORIGIN Via: 1.1 ip-10-0-2-241.ap-northeast-1.compute.internal
ステータスコード301で応答がありアクセスできていることが確認できました。
次にgoogleでhttpsで接続してみます。
# curl -I https://google.com curl: (35) error:1408F10B:SSL routines:ssl3_get_record:wrong version number
エラーとなり接続できませんでした。
どうやらプロキシ環境下でcurlによるSSL(https)接続を行うには「.curlrc」に設定が必要らしいです。
# vi .curlrc
以下を設定
proxy=http://[プロキシサーバのIPアドレス or ホスト名]:[プロキシサーバのポート番号]
再度接続確認してみます。
# curl -I https://google.com HTTP/1.0 200 Connection Established Proxy-agent: Apache/2.4.37 (Red Hat Enterprise Linux) HTTP/2 301 location: https://www.google.com/ content-type: text/html; charset=UTF-8 cross-origin-opener-policy-report-only: same-origin-allow-popups; report-to="gws" report-to: {"group":"gws","max_age":2592000,"endpoints":[{"url":"https://csp.withgoogle.com/csp/report-to/gws/other"}]} date: Sun, 08 Jan 2023 12:09:56 GMT expires: Tue, 07 Feb 2023 12:09:56 GMT cache-control: public, max-age=2592000 server: gws content-length: 220 x-xss-protection: 0 x-frame-options: SAMEORIGIN alt-svc: h3=":443"; ma=2592000,h3-29=":443"; ma=2592000,h3-Q050=":443"; ma=2592000,h3-Q046=":443"; ma=2592000,h3-Q043=":443"; ma=2592000,quic=":443"; ma=2592000; v="46,43"
httpsで接続することができました。
以上で完了です。
コメント