Linuxでは、クローンしたいEC2のAMIを作成し、そのAMIで起動(IPやホスト名を変更)するだけで簡単にクローンできてしまいますが、WindowsではSIDというユニークなIDが付与されているため、AMIからそのまま起動すると、SIDがそのままコピーされ、重複してしまいライセンス認証に関する問題が発生する可能性があります。
そのためsysprepを実行し、マシン固有の情報の初期化する必要があります。
事前準備
事前に以下のものを用意しておきます。
・クローン元のEC2インスタンス(WindowsServer2019)のAMI
手順の流れ
以下の流れで実施します。
1.クローン元EC2インスタンスのAMIから新規EC2インスタンス作成
2.新規EC2インスタンスでSysprep実行
3.新規EC2インスタンスのAMI作成 ★この時点でクローン用のAMI完成。
4.新規EC2インスタンスのAMIからクローン先EC2インスタンス作成

1.クローン元EC2インスタンスのAMIから新規EC2インスタンス作成
まずは事前に用意していたクローン元のEC2のAMIからsysprepを実行すための新規EC2インスタンスを作成します。


インスタンス名は「sysprep_WindowsServer」としておきます。

以降の作業は割愛しますが、1つだけ注意があり、
新規EC2インスタンスを作成することにより、もしクローン元EC2がドメイン参加している場合は、一時的ではありますが同一のSIDのインスタンスが存在することになるため、新規インスタンスとドメインコントローラー間でセキュリティグループ等の制御で通信できない環境にすることが望ましいです。
2.新規EC2インスタンスでSysprep実行
次に新規EC2インスタンスでsysprepを実行していきます。
まずはEC2(WindowsServer)にログイン後、「EC2LaunchSettings」を起動します。
※ログインするためのパスワードはクローン元EC2インスタンスのパスワードを使用します。

下記画面が表示されるので「Shutdown With Sysprep」を押下します。
※静止断面のAMI取得するため、OSの停止が伴うSysprepを選択します。

そのまま「Yes」を押下します。

以下画面が表示されるので待機します。

数分後、インスタンスが停止し、RDP接続が切れます。


3.新規EC2インスタンスのAMI作成
Sysprepを実施し、停止したEC2インスタンスのAMIを取得します。


4.新規EC2インスタンスのAMIからクローン先EC2インスタンス作成
「1.クローン元EC2インスタンスのAMIから新規EC2インスタンス作成」の手順と同様に新たにクローン先EC2インスタンスとして作成します。
作成後、EC2にログインします。
※ログインするためのパスワードは新たにキーペアから作成します。
コマンドプロンプトから「whoami /user」を実行し、SIDを出力します。

クローン元EC2インスタンスのSIDと異なっていることを確認して作業完了です。
【補足】
「3.新規EC2インスタンスのAMI作成」で作成したAMIで複数のEC2インスイタンスを建てた場合でも
全て異なるSIDで作成されます。
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